茨城県立笠間陶芸大学校
卒業制作展2019|対話
研究科 丸山 純 インタビュー
丸山は、本校の陶芸学科を2018年に卒業、同年研究科に入学しました。
陶芸学科の卒業制作展では、自主制作部門 卒業制作賞を受賞。
今回の卒業制作に向けてのインタビューを行いました。どうぞご覧ください。
Q1. 陶芸をする中で得た発見や感動など、自身にとっての陶芸の魅力を
教えてください。
土の持つ質感、構築の過程、焼成による変化の三点に魅力を感じています。
土の持つ質感の中でも、ざらつきや乾いた感じが自分の造形作品のイメージと合致すること。他の素材と違い、何もないところから意図やイメージを盛り込みかたちを積み上げていくところ。
また焼成の過程で、自分の手から離れて作品が変化してしまう、素材の変化がとても強いところ。もっと経験を重ねれば、理想に近づいていけると思うので、時間をかけて取り組みたいと思っています。
Q2. 制作のもととなるインスピレーションを教えてください。
うつわでは、土をさわる中で魅力的に感じたテクスチャー・質感を活かせる形を探して制作しています。
造形作品では、自分がもやもやしていた存在の作用についてが制作のもとと
なっています。存在することは、他者との関係を持つことを避けられず、他者との作用・反作用、調和・不調和などを意識しています。
Q3. 卒業制作に向けてどんなテーマ、意識を持って制作していますか?
現在の課題なども教えてください。
卒業制作では、一揃いのテーブルウェアと立体造形作品の二つの方向性で制作しています。
現在のうつわの課題は、テクスチャーを前面に出した成形方法のため焼成で
ゆがんでしまうことです。成形方法を模索し工夫することで使用に耐えるうつわに仕上げたいと思っています。
立体造形作品では、質感の表現の向上を課題としています。乾いた土のざらついた質感と、釉薬を施したガラス質のなめらかさや潤いを感じる質感の対比を
用い、より強い作品にしていけたらと考えています。
独創的なかたちを持ち、さらに質感の魅力を増した丸山の作品をお楽しみに!
前期制作展より「騎手」
うつわ制作の様子